2009年7月1日 - Volume 9

JAPAN FASHION PRODUCT NEWS

JAPAN-FPO
 

JAPAN FASHION PRODUCT NEWS
Volume 9 - Index

日本ファッションプロダクト協会は、設立一年を経て、この度社団法人として認可されました。

日本の花火は HANABI

日本は今「梅雨」といわれるシーズンです。この「梅雨」の雨が秋の実りを支えています。その「梅雨」が明けると本格的な「夏」の到来となります。

日本の夏は高温多湿でジメジメしていますので、各地で「涼」をもとめる風物詩をみることが出来ます。代表的なモノは「花火」、「浴衣」、「打ち水」などです。

昔、花火は「川開き」の行事として行われていたので今よりも早い時期に行われていたと思うのですが、今は多くの花火のシーズンは8月になって行われています。

「花火」は昔、ヨーロッパから日本に伝わったものなのですが、日本では独特な花火に変化しました。昔の人はこの大空に大きな花を咲かせようとしたのです。それは日本人の魂の中にある特別なアイデアだと思います。

日本の花火は丸い花火で、海外の円筒形の花火とは違います。その違いが大空に大輪の花を咲かせています。
このように日本人は海外から伝わって来たものに対して独特の創造性を加えて違うものを生み出します。
それはファッションも例外ではありません。

日本ブランドの物つくりの丁寧さ、独創的な発送とクオリティ-の高い日本素材とのマッチングが魅力な日本のファッションも夜空を綺麗に飾る花火に負けずくらい、日本のデザイナーさんのファッションが海外の昼といわず夜と言わず、街々の中に花をもっともっと咲かせてもらえればと思っています。

JAPAN FPO セミナー

「衣服」を越えた「ファッション」とは/山縣良和

2009年5月22日(金)、東京・台東区の台東デザイナーズビレッジにてJAPAN-FPO のセミナーが行われた。 "「衣服」を越えた「ファッション」とは" のテーマで講師は山縣良和が担当。山縣はリトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)のブランドをもち、JFW2009の東京コレクション・ウィーク '09-'10 Autumn / Winter Collectionには"graduate fashion show 0点"のテーマで参加し、センセーショナルな話題を集めた。
セミナーでは彼の出生地やロンドン、パリでの経験、ファッションに関する考え方などについて情熱的に話された。

山縣は日本でも最も人口の少ない鳥取県の生まれで、都会にあこがれていた。また女の子と話すのが不得手だったが、いい服を着ると少し自信が出ることからファッションに興味を持ち、日本の服飾専門学校に入った。しかしそこでは満足できず、ロンドンのセントマーチン校に入学。自由な校風が気に入った。ここでジョンガリアーノのディレクターの目に留まり、パリのアトリエでデザインアシスタントを務めるという貴重な体験をした。ジョンガリアーノがファッションショーの30秒間に向けて女性の究極美を追求する姿勢をみて、「町で着られる服だけがファッションではない」また、「ファッションショーの服が人を感動させる」ことを認識した。

その後アマチュアのコンクールであるイタリアのトリエステで3つの賞をとり、タカダケンゾーのクリスマスツリー「流れるクリスマスツリー」を手がけるなどの仕事をし、セントマーチンに戻った。2005年はアンデルセンの生誕200年であったため「裸の王様」を企画し、大学での卒業ファッションショーのフィナーレを飾ることが出来た。

東京に戻ってから玉井健太郎とリトゥンアフターワーズを立ち上げ、roomsの展示、東京で唯一の村である桧原村の保育園での「着られる家」のファッションショー、地球儀にもなるレースの服、などを発表してきた。現在学校の講師をしたり教室も開くなど「何をやっているのか分からない人」などと言われるが、私は大阪大学大学院の鷲田清一(わしだきよかず)さんの考えに共感し「ファッションは哲学である」との信条をもっている。

実際、ファッションは服だけではない、流行は人との共感から生まれるが、人と違うものを求める反発の両面感情を持っている。CHANELのファッション写真で大きなジュエリーのネックレスをつけ、タバコを吸っている横顔の女のものが知られているが、これは服だけではなく女性の新しい生き方をも提案している。


東京コレクションでの"graduate fashion show 0点"は卒業をテーマに0の強さや0に戻ることも考えた。色々なことからの卒業、価値観の転換としてモノづくりの原点とは何なのかを0から考え、表現した。

このファッションショーには賛否両論があったが、オランダで開催するアーネム・モード・ビエンナーレのオープニングショー出演に招待された。

「モノづくりの実際」イタリアのSU MISURAから学ぶ/柴山登光

2009年5月29日(金)にデザイナーズヴィレッジにて柴山登光さんのセミナーが開かれた。今回のテーマは"「モノづくりの実際」イタリアのSU MISURAから学ぶ"
イタリアゼニア社のSU MISURAという仮縫いのないオーダー紳士服生産の実際を見ながらメードインジャパンに関しての提言をされた。

講師の柴山登光さんはサン・モードスタジオ代表としてアパレル生産業界の技術指導、パターンから品質管理までのモデリスト契約などを行っている。また日本モデリスト協会副会長、IACDE(国際衣服デザイナー&エクゼクティブ協会)国際会員及び日本支部理事、セコリジャパンスクール講師長、メンズものづくり塾長、中央技能検定委員などを務めている。特にIACDEでは1996年のミラノ大会ではレディス部門で、また2005年のニューヨーク大会ではメンズスーツ部門で最優秀賞のミケランジェロ賞を受賞している。

ゼニアは世界で年間350万着販売している企業だが、SU MISURAは1977年にスタートしている。なお、日本ではそれよりも早い今から56年前に山形屋が始めている。柴山さんはゼニアの生産や技術面での工夫や日本との違いをいろいろと話された。




たとえば採寸では腕を含めたオーバーバストを採っている。これは太った人の場合に補正がしやすい利点があるとのこと。カッティングはスイスにて24時間体制で行っている。スイスは周りを4カ国に囲まれており地理的に便利な事とストライキがないため2週間での納品にはよい条件といえる。また、マスターパターンはハンドで作っている、毛芯はサイズごとにつくっているなどのこだわりが見られた。縫製工程はかごを利用して移動していて、工程ごとに色々な工夫が見られたが芯据までは裁断後速く進む。また、温湿度管理はあまり行われていない。ローマの6月、7月の降水量を調べると38mm、6mmと少なく、東京の165mm、162mmと大きく異なっている。また、ミラノの降水量は年間安定しているため、温湿度管理の必要性が無いようだ。日本はウール素材を高湿度の条件で縫製しなければならないため、その技術は進んでいる。

柴山さんが作ったスーツは多少の補正が必要となった。これに関しては日本に帰ってから分解して最終的には自分で補正をしたが、分解して作り直すことは勉強になるとのこと。またモンスーン気候のアジアからのオーダーではクレームもあるようで「アジア仕様」というのが特別にあり、今回もこれで作成された。

イタリアにはモデリスタが存在していて、デザイナーの意図や狙いの品質を出来栄えの品質へと具現化している。また価格とコストのバランスをとることも行っている。日本では工場がこの役割をする必要がある。

IACDEは来年100年を迎えるが、1960年代からの衣服に関する時代の動きを10年ごとに説明され、現在はコンフォータブルとエコロジーの時代であるという。

このようにゼニアの服つくりを見て、メードインジャパンを見るといくつかの方向性が考えられる。洋服生産に関する手に染み込んだ歴史的・文化的な背景からの壁はあるが、日本の縫製技術は高い。これからは解かれて中を見られてもいいような作り方をして欲しい。デザイナーは服のルーツなど服を知ること、ファクトリーとのコラボレーションをしていく。品質や規格は買い手の目線で考える。イタリアのお客は着心地や着易さを求めているようだがボタンの解れなどはあまり気にしない。イタリアの家庭では今でも裁縫やアイロン作業を良くやっている。日本が弱いのは世界に売り出すマーチャンダイジングと発信力と思われる。

最後に新たに発行された「服づくり大全」が紹介された。これは柴山さんの4冊目になる著書で服つくりのノウハウがつまっている。
著者:柴山登光
定価:8,000円(税・送料別)
版形:B5版
頁数:256頁
発行所:アパレル工業新聞社

展示会レポート:CANDY

東京ではファッションの小さな展示会が常にどこかで開かれている。今回ご紹介するのは2009年5月から6月に行われたCANDY(デザイナーHiro)の展示会。



主催者のHiroは2002年からロンドンで4年間、独学で服作りを勉強したという。ロンドンでは市内のセレクトショップKOKONTOZAIのウィンドディスプレイのデザインを手がけたり、THE PINEAL EYEでのエキシビション、オニツカタイガーUKでアートワークを発表するなどの活躍をしている。
今回の展示会は20ほどのクリエーターのコラボレーションによる合同展で、場所は新宿の新宿御苑に近いSYビルの地下。JAPAN-FPOのメンバーであるPatric Stephanも参加した。

注目のデザイナー





ブランド名:
sachio kawasaki
デザイナー:
川崎 祥央(カワサキ サチオ)

デザイナーの川崎祥央はチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン ロンドン芸術大学(University of the Arts London, Chelsea College of Art and Design)でテキスタイルの基礎知識を身につけた後、セントラルセント マーティンズ カレッジ オブ アート アンド デザイン ロンドン芸術大学(Central Saint Martins College of Art and Design)MAコースにはいり、ニットウェアーを中心としたファッションを学ぶ。
セントマーチン校の卒業制作はロンドンファッションウィーク中にプロと同様の立場で発表することができる。川崎はその20名の一人として選ばれ、ファッション雑誌のヴォーグでも取り上げられている。ブランド名SACHIO KAWASAKIを立ち上げた後、2009年のJFWではSHINMAI Creator's Project に参加し「平面の柄と立体である服を同時に捉えて構築したデザイン」で注目を集める。素材は最高級のシルクカシミアサテンなどを使い、縫製はJAPAN-PFOメンバーの工場が担当した。このときの作品を見て、JETRO(日本貿易振興機構)の招聘ジャーナリストDIANE PERNET(ダイアン・ペルネ)も川崎を興味深かった一人だと語っている。
2009年4月24日からRinで展示会を開催、また、日テレG+及びNHK及びでも取り上げられ5月15日、31日にそれぞれ放映された。
「JFWは欧米のコレクションに比較して若い人向けのものが多く、このため大人服が主体の海外メディアから注目されることが少ないのではないか。日本人も富裕層は欧米ブランドに行ってしまうのではないか」と、JFWが世界のファッションから注目されない状況を嘆いている川崎だが、彼は東京発の大人のエレガンスを世界に発信していきたいという。
JFWの後にいくつかのショップとの契約が決まり、ビジネスとしての動きが始まっている。5月には新しくアトリエを井の頭に移し、株式会社BULBOUSとしてマネージャーも置き、事業としての体制を整えた。
来春物の企画に関して「今回は完成された"キメ"ファッションであったが、次回は"気軽さ"を意識し、素材は最高級でなくても"化ける"ようなデザインを追求したい」とし、次回のJFW期間には展示会として発表する予定。
また「ブランドがスタートしてそれほど時間がたっていない条件の厳しいときだからこそ出来ることを考えたい」と意欲を燃やしている、注目のクリエーターである。

連絡先:株式会社BULBOUS 〒168-0062 東京都杉並区方南2-4-17 コーポビアネーズ308
TEL/FAX:03-3318-7488
e-mail:info@sachiokawasaki.com
URL:http://www.sachiokawasaki.com

食のコラム:NINJA AKASAKA

今は昔、江戸時代に武家屋敷が多く存在した永田町に、長い時代を経て"忍者屋敷"が復活しました。
"忍者屋敷"ならではの店構えは、入り口が分かりづらくて探すのにも一苦労。中に入ると更なる"カラクリ"と共に、忍者が待ち受けています。
フードメニューは、和食をベースにした創作料理を提供しています。
レストランというよりも"アミューズメントパーク"といった趣は、外国からのお客様に大人気で、予約をとるのが難しいお店の一つです。
是非、"Ninjya World"をご堪能下さい!!
http://www.ninjaakasaka.com/top2.html