2009年3月19日 - Volume 2

JAPAN FASHION PRODUCT NEWS

JAPAN-FPO
 

JAPAN FASHION PRODUCT NEWS
Volume 2 - Index

ファーストレディーのカーディガン

今年1月ワシントンで行われたオバマ大統領の就任式で、オバマ大統領夫人ミッシェルが着ていた黄色いニットカーディガンは日本で作られたニット糸を使ったものだった。

この糸は南アフリカ産の希少なモヘアを原料にして、高い技術によって従来の半分以下の細さで作った。

日本のテキスタイルは伝統的な職人によって丁寧に作られている。
また無縫製ニットのような最新のハイテク技術で作られているものもある。
世界のトップブランドで日本の素材は高く評価されているのである。

それは、日本のテキスタイルメーカーは、技術を高めることに喜びを見出している。
日本のデザイナーから厳しい要求に応え、難しい技術、困難な製造方法を開発することがステータスなのである。
日本にはウールの糸を触るだけで含まれる水分量が分かるような技術者さえいるのだ。
彼らは、テキスタイルの生産を極めることで、魂が宿ると信じているからだ。

今年パリプレタポルテコレクション90組中、日本人デザイナーは11組参加した、コムデギャルソン、イッセイミヤケや、彼らに続くデザイナー達にも共通することは、日本が生み出す素晴らしいテキスタイルを活かすデザインをしていることである。

西洋人が子供の頃から美術館で歴史的な絵画を見たり、歴史的な建造物に囲まれて過ごすように、日本人は子供の頃から、天然のマテリアルを活かした家やモノに囲まれて過ごす。
美術品ではなくマテリアルによって感性が磨かれるのである。

さらに日本の10代の若者は世界でも最もファッションにお金を使っているように、多くのファッション素材に刺激を受けて成長する。
子供の頃から驚くほど多様なテキスタイルを身に着けて過ごしているのである。

だから日本のファッションは、テキスタイル重視だと言われる。
日本のデザイナーは服を見せるのではなく、身体と素材の調和を意図している。

日本のファッションプロダクトの魅力は、直接触って分かる。
ショーの舞台よりも、生活の風景の中に置かれて生きてくる。
それ自体が価値のある彫刻のようなアートではなく、素材を活かした工芸品のような魅力があるのだ。

ぜひ日本に来て、デザイナーと語り、精神性の高さを感じて欲しい。製品に触れて欲しい。
希望があればテキスタイルメーカーも見て欲しい。

日本人は自分をアピールしないことが美徳とされているので、コミュニケーションが苦手だが、ようやく世界に発信する次世代のデザイナーが育っている。
ヨウジ、カワクボ、ケンゾー、イッセイに続くデザイナーを探して欲しい。

コレクションスケジュール

»コレクションスケジュール2009A/W

注目のデザイナー





ブランド名:
everlasting sprout
デザイナー:
村松啓市(Keiichi Muramatsu)

「永遠の芽生え」を意味するeverlasting sproutはレディースのニットを中心としたブランド。ニットは1本の糸でずっと編めることもブランドの意味に込めています。「暗くなりがちな世の中だけれども植物の芽が光に向かうように希望に向かったものづくりをしていきたい」とデザイナーの村松啓市。
村松は2003年からイタリアの糸メーカーであるLINEAPIUにインターンとしてプロジェクトに参加。ここは若手を育てることで有名な会社であり、2003年までの毎年、世界から5人ぐらいをマスターリネアピウとして採用していました。このプロジェクトの最後の1人として実際の業務に携わっています。
帰国後、2005年にブランドを立ち上げ、2008年7月には35年ぶりに再スタートしたウールマークプライズに参加して入選。2009年パリでの展示会Atmosphere-COMING SOONにも参加しています。日本のJFWは今回が5回目。「ミスティー・ブルー」のテーマで人の精神的な内面を空間インスタレーションで表現し、希望や明るい光に向かう人間賛歌としていくとのことです。
生産は日本と中国であり、販売委託先は日本以外に台湾やロシアにも出していて、現在20ヶ所近くになっています。ラフォーレ原宿での期間限定ショップやニットのワークショップなども開催。幅広く活躍しています。

JFW:2009年3月25日(水)11:00 於:文化服装学院
展示会:2009年3月30日~4月2日(木) ラパン・エ・アロ (最終日のみB1F)  渋谷区神宮前5-44-2
時間:3月30日(月) 13:00~19:00
   3月31日(火)~4月1日(水) 11:00~19:00
   4月2日(木) 11:00~18:00
連絡先:有限会社 クラウン(clown)〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-21-5 村松ビル5A
電話:03-3746-1365 FAX:03-3746-1366 mail:info@everlasting-sprout.com
詳しくは URL http://www.everlasting-sprout.com/index.htm





ブランド名:
GUT'S DYNAMITE CABARETS
デザイナー:
CABARET AKI/JACKAL KUZU

バンドを組んでいたギターとボーカルの2人が、自分たちが着たい衣服を作ろうと始めたブランド。ブランド名のGUT'S DYNAMITE CABARETSは勢いやパンチがあり、前向きで明るいポジティブな言葉を3つ選んだものとのことです。CABARET AKIは学生時代には各種の賞を総なめし「賞金稼ぎ」であったそうです。学校を出てからJACKAL KUZUは津村耕佑のところで仕事をするなど、二人ともアパレルの実務を10年間、経験している。
ブランドの立ち上げは2007年。アンダーウェアブランドとして設立、素材の開発から手がけるこだわりを持っている。07-08A/W東京コレクションより、洋服のラインも発表。ROCKでSEXYなデザインは、特にミュージシャンに人気が高い。最近はアイテムもメンズ、レディースのアウター、インナー、雑貨などに広がっていて、アウターとその他の比率はほぼ半々。企画、デザインは全てオリジナルで、生産は日本、韓国、中国で行っている。
GUT'S DYNAMITE CABARETSが伝えたい事は、ファッションは楽しくて、簡単だという事。
例えば、明るい気持ちになりたいからピンク色を着る。細かいディテールよりピンク色という事の方が大事な時がある。
形を疎かにする訳じゃなく、服を作る上で一番大切にしているのは着る人の気持ち、ハッピーで踊りだしたくなるような気持ち・・・。
彼らはファッションを通してそんな気持ちを創りたいと言う。
既に15の卸店と契約し、新宿丸井の1階にあるカルチャー発信の店『カイジュウ ブルー』でも販売している。この2年間は右肩上がりに伸びてきたが、ここまできたのは支持していただいているお客さんをはじめ、恩師や仲間に助けられたことが大きい。
これまでのコレクションでは派手な演出が目立ったが、商品を手に取ると服作りへのこだわりは図りしれないものがある。
GUT'S DYNAMITE CABARETSの願いはファッションを通じて愛や平和を訴える事。
「人の温もりだけが、このどんよりした世界を変えられると信じているから」
彼らには大きな夢がある。
そんな彼らのこれからを楽しみに見続けたいと思う。

JFW:2009年3月27日(金) 12:00 原宿クエストホール
展示会:2009年4/8~4/10 11:00~18:00
連絡先:info@g-d-cabarets.jp
URL:http://www.g-d-cabarets.jp/





ブランド名:
Hidenobu Yasui
デザイナー:
保井秀信(Hidenobu Yasui)

保井は大阪モード学園卒業後、第20回オンワード新人デザインコンテストで秀作賞を獲得している。その後、英国のセントマーチン校の大学院へ入学。2006年3月同コース卒業後、クオリティの高い日本の生地と縫製技術を求めて2007年6月帰国。
2007年10月にブランドを立ち上げ、日本の素材、日本の縫製にこだわったレディースの制作を開始。ターゲットは「大人の女性」であり、繊細な技術に裏打ちされたクオリティーの高いファッションを提供している。
保井はデザイナーというよりも職人として、ものづくりに携わって行きたいという。ここ数年で日本の縫製企業はかなり淘汰されてしまったが、残っている企業は生産部門としての提案も出してくるなど、信頼性は高い。縫製は現在、都内、近県や福島などの工場に委託している。
ブランド立ち上げの当初は自分のクリエーションを提案することに全力を傾けたが、最近は販売店からの評価などフィードバックされた情報を参考に、お客様に喜んで頂けるような商品開発に力にも入れている。
販売は青山骨董通りのNorieM desigersなど都内に3店舗の他、大阪や地方のセレクトショップに展開、オーダーは1着から対応している。

JFWコレクション:3月27日 17:00 原宿クエストホール
展示会:4月7日(火)~10日(金) 表参道 Rin
連絡先:株式会社Hidenobu Yasui
    〒182-0022 東京都調布市国領町6-19-2-402
    電話/FAX:042-485-0155
URL:http://www.hidenobuyasui.com/





ブランド名:
suzuki takayuki
デザイナー:
スズキタカユキ

スズキ タカユキのブランドスタートは2002年。1点もののアート的アプローチの展示会を行ったのがはじめというが、それ以前にもコンテンポラリーダンスやミュージシャンなどアーティスト向けの個人衣装を制作していた。
会社名のバンドネオンは情熱的なアルゼンチンタンゴで使われる楽器。スズキタカユキはアコーディオンを弾くことから、好きな楽器の名前をつけたのだそうだ。
2008年にはオーガニックコットンのikkuna/suzuki takayukiや企画・コラボラインであるtoha(トワ)もスタートしている。tohaではテキスタイル工場や家具、アクセサリーなどとのジャンルを問わない実験的コラボを進めている。
現在のアイテムはレディースのドレス、ワンピース、ブラウスなどだが、それらはカジュアルとフォーマルの中間的な感覚で「ふわっと着られる」もの。浜松、西脇、山形など、テキスタイル産地の技術者とコミュニケーションを取りながら素材を作り込んでいる。アパレルの品質は感覚的な面が多いため、素材のニュアンスも直接技術者に伝えることで、思った製品に仕上げている。
ブランドのコンセプトは「時間の調和」。服で美しさを作るのではなく、女性の本来持っている美しさ引き出すこと。天然素材が主体の素材を用い、工業製品の硬さではない、有機的なものを表現している。また、ものは時間とともに変化していくが、それは美しさの変化と考えている。服を長く使って欲しいため、シーズンごとに大きなスタイル変化はせず、昨年のものとのコーディネートも出来るようにデザインを考えている。使い込むことで表れる経年変化の良さも知って欲しいという。
現在スズキ タカユキを購入されている人は20台後半から30台前半が主だが、ブランドの"思い"を感じていただける人なら年齢層にはこだわっていない。これからはライフスタイルや"思い"を共用できるという「縦割り」のテイストで分けていく考えだ。
販売は全国のセレクトショップ40以上であり、海外も3社が決まっている。今後、台湾、香港などアジアを中心に海外にも積極的にアプローチしていく予定である。

2009-10 autumn-winter Collection
インスタレーション :2009年3月24日(火)~26日(木) 11:00~19:00 (24日はプレスのみ、時間は11:00~)
展示会:2009年3月28日(土)~4月3日(金) 11:00~19:00
連絡先:株式会社バンドネオン
    〒142-0063 品川区荏原5-11-17 高沢ビル2F
    TEL 03-3783-5813 FAX 03-3783-5804
E-Mail:info@suzukitakayuki.com
URL:http://suzukitakayuki.com/
プレスコンタクト
Pred PR / 大川 博子
TEL 03-5428-6484 FAX 03-5428-6197 E-Mail hiroko@predpr.com

コラム【桜の季節】

日本は桜の季節。全国中桜色に染まっています。

■何故、日本人は桜が好きなのでしょうか?

・桜の時期意外は目立たないのに、冬から春に変わる時期にピンクという刺激的な色で山、街を印象的に表現する。
・春の入り口ので4月初め、入学、入社というイベントに桜があったという幼児体験からの刷り込みより、希望をいだかせる。
・花の開花から散るまでが短く、輪廻転生を感じさせる。
・田植えの時期を知る為、身近な場所に桜が植えてあり、生活の場所にあった。

貴族に梅が人気だったのは奈良時代だけです。その前、その後は庶民も含めてずっと桜が一番人気でした。
桜はどの時代でも安定した一番人気の花です。それは寒い冬に耐えた後、ぱっと華やかに咲いてすぐに散ってしまうのが、日本人の気質に合っているからでしょう。
「桜は散り際が一番美しい」。こうした感性やこういった表現が好きなのも日本人だけです。
桜のお花見は、そうした日本人の行動です。きれいな花を間近で見る。短い生涯の花を愛でる。花が散るのを惜しむ。

■日本人は四季の変化を大切にする民族です。

歴史的には農耕民族で、その風習が現代にも残っています。
日本の農家にとって、桜は「田植え」の合図です。
だれの真似をすることもなく、田植えをしてもOKと桜が教えてくれます。
テレビで見る桜の開花速報ではなく、自分の田んぼの横にあるさくらは自分の田んぼの田植えのノウハウを教えてくれる先生です。
ピンク色の美しい花びらが舞うころ、一年のスタートといえる田植えが始まります。豊作を祈願しながら春の始まり、育ちの夏、そして実りの秋を迎えます。

■桜の樹が墓地や学校に多いのは何故?

桜の花は、枯れません・・・散るのです。
日本人の美しく散るという、死生観をあらわすのに一番よい花(樹木)ではないでしょうか。
国文学者の柳田国男氏の説明ですが、古来、桜と名のつく地名のところは、死体捨て場だったそうです。
桜の木は春になると、死者の魂を咲かせ、はらはらと散っていく。
その潔さもこの世のものとは思えぬ美しさを思わせたようです。

■いずれにしても、日本人は桜の下でお酒を飲むのが大好きな民族です。

都会に生活しても自然を楽しむ精神性があります。
これは、日本人のDNAではないでしょうか?


【都心の桜の名所/紹介】http://www.ozmall.co.jp/sakura/index.asp
・千鳥が淵       http://www.date-navi.com/hanami05_tidorigafuti.html
・青山墓地       http://www.ozmall.co.jp/sakura/25.asp
・アークヒルズ     http://www.walkerplus.com/hanami/kanto/tokyo/w4421.html
・播磨坂        http://www.ozmall.co.jp/sakura/index.asp