2009年10月1日 - Volume 12

JAPAN FASHION PRODUCT NEWS

JAPAN-FPO
 

JAPAN FASHION PRODUCT NEWS Volume 12 - Index

ストリートとモード、
サブカルチャーのカオス

若手台頭、東京コレクションの見方とは

ファッション産業の国際競争力を高めるため、官民一体型のイベント「JFW」(日本ファッション・ウィーク)が10月19日に開幕する。ファッションショーを行うブランドは45ブランド前後。5年目を迎えたJFWだが、この間、若手デザイナーの参加が増えたほか、海外に留学していた新進デザイナーも東京に拠点を移し始めている。

ここで明記しておきたいのは、必ずしもJFWでショーを行うメゾンだけが注目を集めているわけではない。むしろ、オフスケジュールで発表するメゾンがサブカルチャーを織り交ぜた注目度の高いコレクションを披露している。東京のストリート感をクリエーションに載せた服や、世界に類を見ないハイエンドなカジュアルウェアも日本独特のものだ。「Nハリウッド」「ジョン・ローレンス・サリバン」に代表されるメンズブランドは、意欲的にコレクションを発表。こうした"ネクストジェネレーション"たちが、現在の東京をリードしている。

一方、JFWに目を移すと、若手デザイナーのインキュベート(孵化)が成果を挙げている。20代後半から30代中盤のデザイナーが台頭し、彼らのデザインコンセプトが成熟してきた。既に海外へ販路を広げているデザイナーも多く、近年は中国や韓国、台湾、シンガポールなどの店舗と取り引きを行っている。

東京のポップな一面とダークサイドな裏面を併せ持つ「ミントデザインズ」は、コンテンポラリーアートを想起させるブランドだ。この表裏一体な感じが、日本の現代社会を表現しているようで興味深い。クリエーションに社会性を取り入れることは意識していない。しかし、結果的にデザイナーの思考は、社会性を意識させるものとなる。

静寂で都会的なモチーフを展開する「マトフ」は、和装から着想を得ているが、静かなるコレクションは、現代に忘れ去られた日本人の心情を描いている。さらに力強い女性像を描き出す「ソマルタ」は、スキン(肌)や人体構造を徹底的にリサーチし、近未来のスタイルへと昇華する。大胆な甲冑(かっちゅう)ドレスや人体模型をイメージさせるアイテムを発表、比類なきコレクションを打ち出している。

ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーや、英国のセントマーチンでキャリアを積み、東京でコレクションを発表するスタイルも定着してきた。若手デザイナーの東京回帰は、欧米のコレクション・ウィークが飽和状態になっていることが根底にある。若手、特に独立系デザイナーが、スケジュールに入り込む余地はない。現在の東京では「アキラ・ナカ」「ミキオ・サカベ」「リトゥンアフターワーズ」といった海外留学組が台頭しつつあり、継続的にショーを行っている。


「アキラ・ナカ」は、女性の内面や二面性を表現し、繊細なクリエーションを発表している。物憂げなモデルたちは、エッジの利いた服を着用し、鋭いカットワークや鈍い光沢を纏う。さらに、プレーンなウール素材からニットに変容する"グラデーションニット"を展開。織りで表現する独自のテクニックは、ブランドを訴求する上で欠かせない。「ミキオ・サカベ」「リトゥンアフターワーズ」は、コマーシャル化したファッション業界にアイロニーを込め、視覚的にユニークなコレクションを行っている。ストイックさよりも、東京のポップさや軽さ、サブカルチャーといったファクターも織り交ぜている。

TEXTILE SPIRIT開催される

今回が第2回となるTEXTILE SPIRITは独立行政法人中小企業基盤整備機構の主催により、日本のテキスタイルから生まれる独自のクリエーションの成果を世界へまた未来へと伝えるテキスタイルのイベントであり、セミナー、ワークショップ、産地ツアーを含んでいます。
今回は「原点との再開、そして成長」のテーマのもと、SOMARTAのデザイナー廣川玉枝さんとみやしん株式会社の代表取締役宮本英治さんのセミナー、テキスタイルディレクターの梶原和加奈子さんのコーディネートによるパネルディスカッションが2009年8月27日に東京ウィメンズプラザホールで、また9月21日に信州大学繊維学部で開催されました。


廣川さんは「現状の衣服の製造過程が、生地とパターンがありこれを裁断・縫製・仕上げという工程で作ることを改めて考えていた。日本のキモノは非常にシンプルであり、サイズもフレキシブルなのに、洋服は違っている。当時“第2の皮膚”が流行ともなっていたが、ある時ミカンのネット(赤い網状の袋)を見て、こういったフレキシブルなものを服に出来ないかと考えた。高度なニットマシンが出来てきたことから、職人さんとの研究を重ね、無縫製のボディースーツである「秘密の花園」に始まるシリーズを展開してきた。基本は“骨に皮膚を着る”ということで、これは発展してカメラメーカーや自動車メーカーなどと椅子や自動車、モニュメント、建物までニットで作った」と話されていました。
宮本さんは「織物の基本を縦横12本の糸に設定している。この時12本と12本の交点は144となるが、ここのポイントに糸を上か下かに通す組み合わせは2の144乗となる。これに糸の素材や染色、後加工が加わり、組み合わせは無限といえる」とし、例として多重織の説明がありました。これは一度の織で2枚、3枚と多重の布を織ることが出来るというもの。この応用による無縫製の衣服サンプルも展示されました。

TEXTILE SPIRIT URL : http://haft2.smrj.go.jp
注)独立行政法人中小企業基盤整備機構:Organization for Small & Medium Enterprises and Regional Innovation, JAPAN" (SMRJ)

9月に入り、秋らしくなってきた東京で、各種の展示会が始まっている。

<rooms>

アパレルを中心としたファッションの総合的な合同展示会であるroomsが東京・代々木の国立競技場で第18回の展示会を2009年9月16日から18日まで開催した。 参加ブランドは400以上。JAPAN-FPOのメンバーでもあるバッグを主体としたEnevareは従来からのdiscipline(ディシプリン)ラインに加え、フューチャリスティックな素材にギャザーやフリルなどを加えてニュアンスを出したフェミニンな新作のバッグを展示。大阪の百貨店との取引も始まったという。
http://www.roomsroom.com/

<suzuki takayuki>

JFWのインスタレーションで好評だったsuzuki takayukiが2010s/sの展示会を渋谷で開催した。今回の展示はikkuna/Suzuki takayukiのブランドでオーガニックコットンの素材を使ったキャミソール、スカート、ジャケットなど。天然染料をつかい日本の伝統的な色の中から、銀色(しろがね:pearl gray)、青磁色(せいじ:opal green)、薄紅色(うすべに:old rose)を表現、柔らかな風合いを出している。ikkuna とはフィンランド語で「窓」の意味で窓からsuzuki takayukiを世界に広げていきたいとしている。9月18日には渋谷パルコPart1でショップ「suzuki takayuki placed」もオープンした。
http://www.suzukitakayuki.com/

<ホワイト>

同時期に伝統的なファッション雑誌「装苑」とコラボレーションの展示会「ホワイト」も渋谷のラフォーレミュージアム原宿で開催された。

日本のファッションを支える工場

有限会社ベレッツァ(Bellezza)

ベレッツァは昭和45年(1970年)現会長の竹沢幸一氏が東京都内でタケザワドレスとして創業。国内縫製は中国への移動が増えたこと、また多くの人員を抱えていると工場を稼働させるための生産となってしまい、やりたくない仕事までやらざるを得ない状態となってしまうことから、国内でしか出来ない小ロット高品質の製品に特化しようとして2006年にベレッツァとして再スタートした。当初より婦人服を手がけ、ジャケット、コート、ワンピースを主体に大手アパレルの生産を行っているが、受注ロットは30枚位から500枚程度である。重衣料のシーズンオフにはカットソーも手がけるため、扱い素材はシルク、ベルベット、レザー、ニットなど多岐にわたる。最近は企画提案力を高め、単なる加工賃仕事から積み上げ原価も提示できる商品を増やしている。

特殊なステッチが得意で、工場には各種のミシンが並んでいる。在庫されている糸の種類も多いが、当初から毛糸を使ったハンドステッチも多いという。工場独自の縫いサンプル帳があり、さまざまなステッチの見本が提示されているがアパレルの企画、デザイナーは大変参考になるという。

<縫い代の無い服>

刺繍専門の企業もあるが、その場合は付属部品か縫製の前後工程に限られる。工程の途中で必要な特殊ステッチは工場でしか出来ないため、ベレッツァのステッチ技術は強みとなっている。この技術の応用で最近「縫い代の無いジャケット」を縫製した。これは突合せにより仕立てるものだが、袖付けや襟付けはかなり研究を要したという。出来上がりの製品は軽くソフトで縫い代の当たりもないため着心地がいい。

<技術の高さは口コミで広がる>

中には1つ一万円というスカルボタンが18個もついたミュージシャンが着るような服も依頼されて作っているが、こういった技術は口コミで伝わるようで、アパレルメーカーの企画やデザイナーが良く訪れ、新たな製品のヒントとしているようだ。
工場は成田空港から近く、最近話題になっている阿見アウトレットも出来たことなどからファッションの見学コースにもなっているようだが、ベレッツァではこれからも企画提案のできる工場として縫製技術を高める研究を進めて行きたいという。(竹沢勝己社長談)

有限会社 ベレッツァ(Bellezza)
代表者:代表取締役 竹沢勝己
〒300-0837 茨城県土浦市右籾1680-1
電話029-841-8350 fax 029-841-8351
e-mail:takezawa@che-bellezza.com

日本で話題のファッションニュースランキング 8/16~9/15

JFW(Japan Fashion Week)の日程も決まり、各ブランドが慌ただしく動き出してきた9月。メンズコレクションでは、すでにN.HOLLYWOODやFACTOTUM、JOHN LAWRENCE SULLIVANなど人気ブランドがショーを終えている。そんな中、人気ブランドUNDER COVERは待望の公式オンラインストアをオープン予定だ。さらにメンズでは圧倒的人気の百貨店伊勢丹もオンラインショップを開始する。
ネットを利用する若者にアピールするには適した販路なので、今後の動向に注目したい。
また、毎日新聞社主催の毎日ファッション大賞では、我々JAPAN-FPOの会員クリエイター「matohu」が新人賞を受賞した。日本の伝統美を活かした作風で、トップクリエイターとしての地位を築きつつある。

1位 メンズ300ブランドが揃う「イセタンメンズオンラインショップ」9月4日オープン

伊勢丹のメンズ向けECサイト「ISETAN MEN'S ONLINE SHOP(イセタンメンズオンラインショップ)」が、2009年9月4日正午にオープンした。
想像と創造のインターネット上のリゾート「ZOZORESORT」(http://zozo.jp/)を運営するスタートトゥデイ及び100%子会社スタートトゥデイコンサルティングが、ECサイト運営支援業務を受託した伊勢丹の「ISETAN MEN'S ONLINE SHOP」の開設を発表した。
「ISETAN MEN'S ONLINE SHOP」では、伊勢丹新宿店メンズ館の店頭で取り扱っている人気のクリエーターズブランド商品から、他のECサイトでは取り扱いの少ない世界の逸品まで、約300のブランド、約2,500型の型数で展開をスタート。

2位 「UNDER COVER(アンダーカバー)」が公式オンラインストアをついにオープン!!

カリスマ的人気を誇る「UNDER COVER(アンダーカバー)」世界初の公式オンラインストアが、オンライン・デパートメントストア「thecorner.com」に登場する。待望のオープンは、2009年9月20日以降を予定。
YOOX Groupが持つオリジナルサイトの一つ「thecorner.com(http://www.thecorner.com/)」では、これまで展開してきたメンズに加えて、2009年9月9日より同サイト内にレディースサイトをスタート。「Rochas(ロシャス)」、「Haider Ackermann(ハイダー・アッカーマン)」、「AF Vandervorst(AFヴァンデヴォルスト)」、「Proenza Schouler(プロエンザ・スクーラー)」、「Charles Anastase(シャルル・アナスタス)」など、約30のレディースブランドのコーナーが新設されている。

3位 深夜の一大ショッピングイベント「ファッションズ・ナイト・アウト」開催レポート

1982年米国での創刊以来、全世界のファッション界を常に先導してきた『VOGUE(ヴォーグ)』。そんなVOGUEのUS版編集長アナ・ウインター発案により始動した、世界初、13カ国開催のショッピングイベント『Fashion's Night Out(ファッションズ・ナイト・アウト / 以下FNO)』が、日本では2009年9月11日に表参道・青山エリアで行われた。
表参道ヒルズの大階段前で行われたオープニング・セレモニーでは、VOGUE NIPPON編集長の渡辺三津子さんによりFNO開催のいきさつや多くの著名人も参加するチャリティ・プロジェクトについて紹介された。随所に盛り込まれた「ファッションの素晴らしさを再認識してほしい」という強いメッセージが印象的であり、今回のイベントに対する思いが伺えた。

4位 第27回 毎日ファッション大賞「TOGA」デザイナー古田泰子が受賞

新人賞は「matohu/まとふ」が受賞

2009年度「第27回毎日ファッション大賞」の授賞式が都内で開かれた。栄えある大賞は古田泰子氏(TOGA)、新人賞・資生堂奨励賞は堀畑裕之氏・関口真希子氏(matohu/まとふ)、鯨岡阿美子賞は尾原蓉子氏(IFIビジネススクール名誉学長)、話題賞にはユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)が選ばれた。
年間を通じ、ファッションという文化活動の中で優れた人、企業、団体などを表彰する毎日ファッション大賞は、1983年に創設し、本年で27回目を迎える。今回の大賞には、2003年度に新人賞・資生堂奨励賞を受賞し、その後ますます発展、高い評価を得ている「TOGA(トーガ)」デザイナーの古田泰子氏に輝いた。
新人賞・資生堂奨励賞は、和と洋の調和を独自のクリエーションで昇華させている「matohu/まとふ」のデザイナーデュオ、堀畑裕之氏と関口真希子氏が選ばれ、資生堂より奨励金100万円が贈られた。
ファッション界での功績を讃える鯨岡阿美子賞に輝いたのは、いち早くファッション・ビジネスの可能性に注目し、多くの人材を育成し排出した、IFIビジネススクール名誉学長の尾原蓉子氏。そして話題賞は、企業ステートメント「服を変え、常識を変え、世界を変えてゆく」の実現を目指すユニクロに贈られた。
表彰式の後に行われたパーティーでは、「matohu」のファッションショーが行われ、日本の美意識から創造されるコレクションが観客を魅了した。

5位 マーガレット・ハウエル、世界初の「MHL.」オンリーショップが代官山にオープン

6位 レナウン、「アクアスキュータム」を英国Broadwick Group Limitedに売却

7位 女性ファッション誌「PINKY(ピンキー)」が12月発売号で休刊

8位 客足の絶えない「フォーエバー21原宿店」、4ヶ月で総来店客数200万人突破!

9位 キットソン2号店「kitson studio」に500人が行列!ユッキーナがファーストショッピングセレブで約17万円分お買い上げ。

10位 48時間のプレミアムセール、会員制ショッピングサイト「グラムールセールス」ついにオープン

食のコラム:若者のソウルフード / 餃子の王将

景気悪化の中、売上高が創業以来最高の伸び率を記録する外食産業が注目されている。
開店から深夜遅くの閉店時間まで常に行列が絶える事のない店。それは言わずと知れた「餃子の王将」。
京都に本社を置く[王将フードサービス]が京阪地区を中心に全国500店舗以上を展開する、大阪風餃子を売りにした中華料理チェーンである。
通常チェーン店ではセントラルキッチン方式で単一メニューになのが、王将では基本メニュー以外は、各店長の裁量によって、店舗の個性を発揮できるシステム。
オープンキッチンで豪快に調理している様子が見せて「料理人がつくっている店」であることをアピールしている。
財布に余裕のない学生向けに大学限定メニューや30分の皿洗いで食事代を無料する店さえ存在する。
チェーンストアのスケールメリットによる低価格と、地域・立地に見合った最適なメニューが人気の秘密である。
さらに「ご当地(地域限定)メニュー」もしばしば存在し、[若者のソウルフード]として地元ファンに愛される好循環を生んでいる。
最近では、若手芸人が登場してトークを繰り広げる人気番組で、「餃子の王将」が特集されるほどの注目ぶりで、さらにその人気に拍車をかける事となった。
この「若者のソウルフード」は、近年ではタイやシンガポール、そして中国へと日本の食文化の先兵として進出をはたしている。
餃子の王将 URL : http://www.ohsho.co.jp/